たばこ事業法 昭和59年8月10日 法律第68号

第一章 総則
(目的)

第一条

この法律は、たばこ専売制度の廃止に伴い、製造たばこに係る租税が財政収入において占める地位等にかんがみ、製造たばこの原材料としての国内産の葉たばこの生産及び買入れ並びに製造たばこの製造及び販売の事業等に関し所要の調整を行うことにより、我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

(定義)
第二条

この法律において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。
一 たばこ タバコ属の植物をいう。
二 葉たばこ たばこの葉をいう。
三 製造たばこ 葉たばこを原料の全部又は一部とし、喫煙用、かみ様又はかぎ用に供し得る状態に製造されたものをいう。

第二章 原料用国内産葉たばこの生産及び買い入れ

(原料用国内産葉たばこの生産及び買い入れ)
第三条

日本たばこ産業株式会社(以下「会社」という。)は、毎年、その製造する製造たばこの原料の用に供しようとする国内産の葉たばこ(以下「原料用国内産葉たばこ」という。)の買い入れを行おうとする場合においては、すべて、あらかじめ、会社に売り渡す目的をもってたばこを耕作しようとする者(以下「耕作者」という。)と原料用国内産葉たばこの買い入れに関する契約を締結するものとする。
2 前項に規定する契約においては、たばこの種類別の耕作面積並びに葉たばこの種類別及び品位別の価格(以下「葉たばこの価格」という。)を定めるものとする。
3 会社は、大蔵省令で定めるところにより、耕作者の会社に対する第一項に規定する契約の申込みに必要な事項を公告するものとする。
4 会社は、第一項に規定する契約に基づいて生産された葉たばこについては、製造たばこの原料の用に適さないものを除き、すべて買い入れるものとする。
5 前項に規定する買い入れに際しての葉たばこの品位に係る決定方法については、大蔵省令で定める。

第四条 会社が前条第一項に規定する契約を締結しようとするときは、会社の代表者は、会社の原料用国内産葉たばこの買い入れに係るたばこの種類別の耕作総面積及び葉たばこの価格について、あらかじめ、葉たばこ審議会に諮らなければならない。この場合において、会社は、当該葉たばこ審議会の意見を尊重するものとする。
2 葉たばこ審議会は、前項に規定する葉たばこの価格について、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、葉たばこの再生産を確保することを旨として審議するものとする。

第五条 会社は、毎年、たばこ耕作組合法(昭和三十三年法律第百三十五号)第2条に規定するたばこ耕作組合中央会(次条において「中央会」という。)の意見を聴いて原料用国内産葉たばこの買入れに係るたばこの種類別の耕作総面積の地域別の内訳を定め、大蔵省令で定める所により、広告するものとする。
2 会社は、前項の規定により広告されたたばこの種類別の耕作総面積の地域別の内訳の範囲内において、第三条第一項に規定する契約を締結するものとする。

第六条 会社は、たばこ耕作組合法第二条に規定するたばこ耕作組合の組合員である耕作者(以下この条において「組合員である耕作者」という。)と第三条第一項に規定する契約を締結しょうとする場合において、当該組合員である耕作者が中央会に対し葉たばこの価格、耕作したたばこ又は収穫した葉たばこが災害により損害を受けた場合の取り扱い、代金の支払方法その他の該当契約の基本的事項を約定することを委託したときは、中央会と当該契約の基本的事項を約定するものとする。この場合において、当該約定は、会社と当該組合員である耕作者との間で締結される同項に規定する契約の一部とみなす。

 (葉たばこ審議会)
第七条 会社の代表者の諮問に応じ、原料用国内産葉たばこの生産及び買入れに関する重要事項を調査審議するため、会社に葉たばこ審議会(以下この条において「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、前項に規定する事項について、会社の代表に建議することができる。
3 審議会は、委員十一人以内で組織する。
4 委員は、耕作者を代表とする者及び学識経験のある者のうちから大蔵省の認可を受けて、会社の代表が委嘱する。
5 委員は、非常勤とする。
6 全各項に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

 第三章 製造たばこの製造
 (会社以外の製造の禁止)
第八条 製造たばこは、会社でなければ、製造してはならない。

 (製造たばこの販売価格)
第九条 会社は、その製造に係る製造たばこで現に販売をしていない品目の製造たばこを第二十条の登録を受けた者(以下「卸売販売業者」という。)に販売しようとする場合においては、当該製造たばこの品目ごとに一の販売価格の最高額(消費税法(昭和六十三年法律第百八号)に規定する消費税及びたばこ税法(昭和五十九年法律第七十二号)に規定するたばこ税に相当する金額を含む。以下この条において「最高販売価格」という。)を定めて、当該製造たばこを製造場から移出する時までに、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
2 会社が既に前項及びこの項の認可を受けて販売をしている製造たばこがある場合において、当該認可に係る最高販売価格を変更しようとするときは、その実施の時期を定めて、あらかじめ、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
3 大蔵大臣は、前二項の認可の申請があった場合において、会社が当該申請に係る最高販売価格で当該製造たばこを販売した場合に、消費者の利益を不当に害することとなると認めるときは、前二項の認可をしてはならない。
4 大蔵大臣は、第一項又は第二項の認可をした最高販売価格が経済事情の変動その他あの事由により前項の趣旨に照らして不適当となったと認める場合には、会社に対し、相当の期間を定めて、当該最高価格販売の変更の許可を申請すべきことを命ずることができる。
5 会社は、その製造する製造たばこの卸売販売業者に対する販売について、第一項又は第二項の認可を受けた最高販売価格を超える金額を受領してはならない。
6 前各項の規定は、会社がその製造する製造たばこを第二十二条第一項の許可を受けた者(以下「小売販売業者」という。)に販売しようとするときに使用する。この場合において、第一項中「及びたばこ租税(昭和五十九年法律第七十二号)に規定するたばこ税に相当する金額」とあるのは「、たばこ税法(昭和五十九年法律第七十二号)に規定するたばこ税、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二章第四節に規定する道府県たばこ税及び同法第三章第四節に規定する市町村たばこ税に相当する金額」と、第五項中「卸売販売業者」とあるのは「小売販売業者」と読み替えるものとする。
 (昭六三法一〇八・昭六三法一〇九・昭六三法一一〇・一部改正)

 (製造たばこの円滑な供給)
第十条 会社は、製造たばこに係る地域的な需給状況を勘案して、その円滑な供給を図るよう努めるものとする。

 第四章 製造たばこの販売
(製造たばこの特定販売業の登録)
第十一条 自ら輸入(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二条第一項第一号に規定する輸入をいう。以下同じ。)をした製造たばこの販売を業として行おうとする者は、大蔵大臣の登録を受けなければならない。
2 前項の登録を受けようとする者は、大蔵省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。
一 商号、名称又は氏名及び住所
二 法人である場合においては、その代表者の氏名及び住所
三 未成年者(営業に関し成年者と同一の能力を有する者を除く。)又は禁治産者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所
四 営業所の所在地
五 その他大蔵省令で定める事項
3 前項の申請書には、第十三条各号に該当しないことを誓約する書面その他大蔵省令で定める書類を添付しなければならない。

 (登録の実施)
第十二条 大蔵大臣は、前条第一項の登録の申請があった場合においては、次条の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を製造たばこ特定販売業者登録簿に登録しなければならない。
一 前条第二項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号

 (登録の拒否)
第十三条 大蔵大臣は、第十一条第一項の登録を受けようとする者が次の各号の一に該当するときは、その登録を拒否しなければならない。
一 この法律の規定により罰金以上の刑に処せされ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
二 第十七条第一項の規定により第十一条第一項の登録を取り消され、その取り消しの日から起算して二年を経過しない者
三 破産者で復権を得ないもの
四 法人であって、その代表者のうちに前三号の一に該当する者があるもの
五 未成年者(営業に関し成年者と同一の能力を有する者を除く。)又は禁治産者であって、その法定代理人が第一号から第三号までの一に該当するもの

(特定販売業の承継)
第十四条 第十一条第一項の登録を受けた者(以下「特定販売業者」という。)について相続又は合併があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を継承すべき相続人を選定したときは、当該選定された者。以下この条及び第二十七条において同じ。)又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人は、その特定販売業者の地位を承継する。ただし、当該相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人が前条各号の一に該当するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の規定に該当する相続人は、相続後六十日間に限り、引き続きその在庫に係る製造たばこの販売を業として行うことができる。この場合において、この法律の適用に関しては、当該相続人を特定販売業者とみなす。
3 第一項の規定により特定販売業者の地位を承継した者又は前項前段の規定により製造たばこの販売を業として行う者は、遅滞なく、その旨を大蔵大臣に届け出なければならない。
 第五章 小売定価

 (小売定価の認可)
第三十三条 会社又は特定販売業者は、その者の現に販売をしていない品目の製造たばこ(その者が自ら製造し、又は輸入するものに限る。以下この条において同じ。)の販売をしようとする場合においては、当分の間、政令で定めるところにより、その品目ごとに一の小売定価を定めて、当該製造たばこを製造場から移出し、又は輸入する時までに、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
2 会社又は特定販売業者は、既にその者が前項及びこの項の認可を受けて販売をしている製造たばこがある場合において、当該認可に係る小売定価を変更しようとするときは、政令で定めるにより、その実施の時期を定めて、あらかじめ、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
3 前二項の場合において、二以上の者から製造たばこをの同一の品目について小売価格の認可の申請があった場合その他これに準ずる場合における人かの方法及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第三十四条 大蔵大臣は、前条第一項又は第二項の小売定価の認可の申請があた場合には、次の各号の一に該当するときを除き、同情第一項又は第二項の認可をしなければならない。
一 当該申請に係る小売定価による販売が消費者の利益を不当に害することとなると認めるとき。
二 当該申請に係る小売定価が、会社にあっては第九条第一項(同条第六項において準用する場合を含む。)に規定する最高販売価格、特定販売価格、特定販売業者にあってはその輸入価格(関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)第四条から第四条の八までの規定により計算される価格をいう。)に照らして不当に低いと認めるとき。
2 大蔵大臣は、前条第一項又は第二項の認可をした小売定価が経済事情の変動により前項の趣旨に照らして著しく不適当となったと認める場合その他政令で定める事由に該当する場合には、当該小売定価の認可を受けた者に対し、相当の期間を定めて、当該小売定価の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。

 (小売定価の広告)
第三十五条 大蔵大臣は、第三十三条第一項又は第二項の規定により小売定価を認可したときは、大蔵省令で定めるところにより、当該認可に係る小売定価を広告するものとする。

 (小売定価以外による販売等の禁止)
第三十六条 小売販売業者は、第三十三条第一項又は第二項の規定による認可に係る小売定価によらなければ製造たばこを販売してはならない。ただし、小売販売業者が他の小売販売業者に臨時の在庫補充用として製造たばこを販売する場合その他の大蔵省令で定める場合は、この限りでない。
2 小売販売業者は、第三十三条第一項又は第二項の規定による認可に係る小売定価がない製造たばこを販売してはならない。

(小売定価の掲示)
第三十七条 小売販売業者は、その営業所において販売する製造たばこの品目ごとの第三十三条第一項又は第二項の規定による認可に係る小売定価を当該営業所に掲示しなければならない。

 第6章 雑則
 (製造たばこ代用品)
第三十八条 製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する。
2 前項に規定する製造たばこ代用品とは、製造たばこ以外の者であつて、喫煙用に供されるもの(大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第一条に規定する大麻、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二条第一号に規定する麻薬、あへん並びに薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品及び同条第二項に規定する医薬部外品を除く。)をいう。
    (平二法三三・一部改正)

(注意表示)
第三十九条

会社又は特定販売業者は、製造たばこで大蔵省令で定めるものを販売の用に供するために製造し、又は輸入した場合には、当該製造たばこを販売する時までに、当該製造たばこに、消費者に対し製造たばこの消費と健康との関係に関して注意を促すための大蔵省令で定める文言を、大蔵省令で定めるところにより、表示しなければならない。ただし、輸入した製造たばこを博覧会において展示し即売する場合その他大蔵省令で定める場合は、この限りでない。

2 卸売販売業者又は小売販売業者は、前項本文の規定により製造たばこに表示 されている文言を消去し、又は変更して、製造たばこを販売してはならない。

(広告に関する勧告等)

第四十条

製造たばこに係る広告を行う者は、未成年の喫煙防止及び製造たばこの消費と健康との関係に配慮するとともに、その広告が過度にわたることがないように努めなければならない。

2 大蔵大臣は、前項の規定の趣旨に照らして必要があると認める場合には、あら かじめ、政令で定める審議会の意見を聞いて、製造たばこに係る広告を行う者に対し、当該広告を行う際の指針を示すことができる。

3 大蔵大臣は、前項の規定により示された指針に従わずに製造たばこに係る広告を行った者に対し、必要な勧告をすることができる。

4 大蔵大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、製造たばこの広告をおこなた者が、正当な理由がなく、その勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

たばこ事業法施行令

(政令で定める審議会)

第六条

法第四十条[広告に関する勧告等]第二項に規定する政令で定める審議会は、たばこ事業等審議会とする。

たばこ事業法施行規則

(営業所の位置が不適当な場合)

第二十条

法第二十三条[許可の基準]第三号に規定する営業所の位置が製造たばこの小売販売を業として行うのに不適当である場合として大蔵省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

3 自動販売機の設置場所が、店舗に併設されていない場所等製造たばこの販売について未成年者喫煙防止の観点から十分な管理、監督が期し難いと認められる場所である場合

第三十六条

法第三十九条[注意表示]第一項に規定する製造たばこで大蔵省令で定めるものは、紙巻たばこ、葉巻たばこ、パイプたばこ及び刻みたばことする。

2 法第三十九条第一項で定める大蔵省令で定める文言は次の表の上欄に掲げる文言とし、同欄の区分に応じ、それぞれの当該下欄に掲げる製造たばこに表示するものとする。

 一  あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう
紙巻たばこ、葉巻たばこ、パイプたばこ、刻みたばこ
 二  大蔵大臣の定める方法により測定したたばこ煙中に含まれるタール量及びニコチン量
紙巻たばこ(品質のばらつき等によりタール量及びニコチン量の表示が著しく困難であるとして大蔵大臣が定める品目を除く。)

3 会社または特定販売業者は、前項に規定する文言を、次の表の上欄に掲げる製造たばこの区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる包装の単位ごとに、同表の下欄に掲げる方法により、見やすく表示しなければならない。

紙巻たばこ 一最小包装ごと 印刷する。
葉巻たばこ 一包装ごと 印刷し又は証紙を付ける。
パイプたばこ 一包装ごと 印刷し又は証紙を付ける。
刻みたばこ 一包装ごと 印刷し又は証紙を付ける。

4 法第三十九条第一項ただし書に規定する大蔵省令で定める場合は、輸入した製造た ばこを物産展その他これに類似する催場において展示し即売する場合であって大蔵大臣が特に注意表示を行う必要がないと認めた場合とする。

 

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