ケベック州(カナダ)の完全断煙者がニコチン置換療法業界の主張
「禁煙補助剤は禁煙の成功率を二倍にする」を否定

英文オリジナル


禁煙のために一番効果的な方法を選ぶ際に喫煙者は一体誰を信じたら良いだろうか? 
現実社会での経験か、それともニコチン置換療法(NRT)業界の言い分か?
業界はプラシーボ(偽薬)を操作し、二重に目隠しをしていると主張している研究結果に基づき、
NRTは禁煙の成功率を二倍に高めると述べている。現実の社会では、NRTなしで禁煙するのに比べて何のメリットも無いのに何千億円ものNRT製品を売り上げている。
ケベックからの最新のニュースはその点についてもうひとつの例証である。



2004年4月27日
2002年9月カリフォルニアでの禁煙者調査データーは「NRTはカリフォルニアの喫煙者が長期に渡り禁煙するのに有効ではないようだ」と結論付けている。米国医師会ジャーナルに載ったこのカリフォルニアの発見は、直ぐに、2002年ミネソタや2003年6月ロンドンの実社会での調査により補強された。そしていま、2004年5月発行の「予防医学誌」でのカナダ禁煙コンテストのデーターもこの事実を裏付けることになった。

THE QUEBEC CONTEST
ケベック コンテスト

「ケベック 2000 禁煙してゲットしよう」コンテストの広報が20400人の喫煙者を呼び寄せた。ケベック 2000 禁煙コンテストの参加者で6週間の修了者は禁煙に加えてキャッシュ支給や、旅行、ギフト券獲得に参加できる特典がある。各々の参加者は自分で禁煙方法を選ぶことができ、社会的なサポートを得るための非喫煙者とチームを組むことが求められている。結果のサンプル調査によるとこの組み合わせは非常に有効であることが証明された。

禁煙開始後6週間時点で完全断煙者の65%が禁煙を続けていて、ニコチンガムやパッチのユーザーは64%であった。6ヶ月時点では34%の完全断煙者と同率のニコチンガム、パッチ使用者が依然として喫煙から遠ざかっていた。完全断煙者はNRT利用者と同等のパーフォーマンスを示した。

カリフォルニア、ミネソタ、ロンドンのケースと同様に、NRT産業の最も基本的な販売上の主張である「NRTは禁煙の成功率を二倍に高める」は偽りであることが証明された。ケベックの実験が証明したことは、どんな禁煙方法であり経済的なご褒美と社会的な支援を付加することで6ヶ月成功率を四倍に高めるということである。ブプロピオン*訳者注 のユーザーが最も好成績で43%だった。
訳者注 同じメーカー(GSK)により市販されている処方箋ドラッグ Zyban と Wellbutrin に入っている化学物質。前者は禁煙の支援、後者は抗うつが目的。NRTと違い、ニコチンは入っていないため依存性(中毒性)がない。
更に詳しくは
Zyban- http://www.zyban.com/zp_1000.html
Wellbutrin - http://www.wellbutrin-xl.com/

WHAT'S WRONG WITH THE INDUSTRY STUDIES?
業界の研究のどこが間違っているのか?

実験室での正式な研究と違い、ケベック州の例の様な禁煙調査は専門家が、完全断煙(ニコチンを突然、完全に絶つ、コールドターキー法)する人と、日々増加しているニコチン置換製品を通じてニコチンの摂取を続ける人との、一対一の有効性比較をすることができる。

実験室ベースのニコチン置換療法参加者はニコチン製品が欲しくて参加する場合がしばしばある、彼らは50%の確立でプラシーボー集団に割り振られない可能性があり、何週間あるいは何ヶ月もただのニコチンを受け取り続ける。

有効な二重目隠しテストの大切な点は参加者が自分は薬物とプラシーボ、どちらを摂取しているかわからない点にある。正式な目隠しNRT研究では、かなりの割合の喫煙者が自分達はもはやニコチンを摂取していないと気付いていた可能性がある。

1997年2月発行のアメリカ疫学ジャーナルにあるデンマークのパッチ研究では、研究の終了時点でプラシーボパッチグループの18.3%が本当のパッチを受け取っていると信じていた。著者は公然と「このような目隠しの失敗の効果は多分プラシーボ効果の減少になっているはずだ。」と認めている。

もし人々が無料のニコチン製品が欲しくて正式なNRT研究に参加し、自分がその製品を受け取っていないと判るとしたら、その苛立ちにより、プラシーボ集団のかなりの割合の人が早期に禁煙を諦め、NRT業界の誇大広告「二倍効果的」という勝利をもたらしていないだろうか?

完全断煙を選択した人とNRTを選んだ人の現実社会での比較という観点から考慮するに値する点である。

CONCLUSION
結論

アメリカガン協会の2003年版「ガンの事実と発見」報告によれば、91.2%の長期に渡る禁煙成功者は自分自身の意志で禁煙しており、いかなる製品やサービスにも頼っていない。これが真実なら、現実社会の有効性を受け入れず、20年に及ぶNRT販売からの袋叩きにもかかわらず、完全断煙法は依然として生き残っており、素晴らしいことだ。

話し変わって、NRTマーケッティングは依然として完全断煙はスーパーヒーローだけに達成可能な難事で、NRTは成功率を二倍に高めると提唱し続けている。FDAは明らかに実際の製品の有効性を無視しており、そのような主張の継続を許している。

Fact References:
参考文献
訳文省略
1. Pierce, JP, et al., Impact of Over-the-Counter Sales on Effectiveness of Pharmaceutical Aids for Smoking Cessation. Journal of the American Medical Association, September 11, 2002;288:1260-1264 - link to free full text in PDF format: http://www.fchn.org/fmh/wmchh/articles/sept/otc_smk_cess_aids.pdf

2. Boyle, RG, et al, Does insurance coverage for drug therapy affect smoking cessation? Health Affairs 2002 Nov-Dec;21:162-8 - link to study abstract: http://content.healthaffairs.org/cgi/content/abstract/21/6/162

3. SmokeFree London, Tobacco in London - Facts and Issues, June 2003, Figure 14, PDF page 17 - link to report in PDF format: http//www.lho.org.uk/HIL/Lifestyle_and_Behaviour/Attachments/PDF_Files/SmFeeFactsIssues.pdf

4. Gomez-Zamudio, M, et al, Role of pharmacological aids and social supports in smoking cessation associated with Quebec's 2000 Quit and Win campaign, Preventive Medicine 2004 May;38(5):662-7 - link to study abstract: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=15066370

5. Sonderskov J, et al. Nicotine patches in smoking cessation: a randomized trial among over-the-counter customers in Denmark. American Journal of Epidemiology 1997 February;145: 309 to 318 - link to study abstract: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=9054234&dopt=Abstract

6. American Cancer Society, Cancer Facts and Figures 2003, Table 3, report page 25, PDF page 27 - link to report in PDF format: http://www.cancer.org/downloads/STT/CAFF2003PWSecured.pdf
About the Author: John R. Polito in a S.C. health educator who serves as the College of Charleston's nicotine cessation seminar presenter and is the founder of WhyQuit, the internet's oldest and largest education and support forum devoted exclusively to the science and psychology of abrupt nicotine cessation.

  翻訳:西田季彦